≪上級レベルのパーソナルトレーナーの到達点≫
その1つづき
容量を越えたので その「つづき」です。
このような アスリートのコンディショニングを担当する立場のコンディショナーであれば、
この問題に対処して、最適な状態にアスリート(クライアント)を導いてやれるのが、おこがましい言い方ではありますが、「上級レベルのパーソナルトレーナーである」としているのです。
国際レベルのアスリートを指導しているから「上級レベルである」といっているのではありません。そのような不明確な基準であれば
・どれほど優れたコンディショナーであっても、国際レベルのアスリートなどを指導する機会に恵まれなければ、上級レベルとはいえないことになる。
・オリンピックで活躍する選手を育てたから上級レベルである。
といったものでは、実際の技量は推し量れないのです。
私の経験上、次のことが言えると思うのです。
・国際レベルで活躍できる資質を持ったアスリートは、どのような指導をやっても、それなりに頭角を現してくる能力がある。
・そのようなアスリートであれば、特に優れたコンディショナーがサポートしなくても、それなりの結果を示してくるように思われる。
・逆に、高い能力があると思われるアスリートの多くが、指導者が課した過剰な運動刺激で回復能力を奪われてしまい、その才能を発揮することなく消え去っている。
・このように、才能を未然に摘み取られて消え去ったアスリートは、極めて多いと思われる(私自身、そのようなタイプのアスリートを数多く見てきた)。
・才能はあっても、そのスポーツに適合していないが故に、その本来的な資質を伸ばしきれないで終っているアスリートもまた、極めて多いと思われる(このタイプのアスリートも多く見てきた)。
つまり、
・指導していたアスリートが、好成績を示して注目された結果、そのアスリートを指導していたコーチやコンディショナー/トレーナーといった全ての方々が、他の指導者よりも抜きん出ている、という短絡的な見方はできない。
と、このように思われるのです。
一方で、
よくもまあ、このような(低い)タレントのアスリートばかりを抱えながら、これだけハイレベルなチームに育て上げたものだ、と感心させられる方にも、数多くお会いしてきました。
そのような指導者に共通するのは、
・指導テクニックが高い。
という単純なレベルでは評価しきれない「何か」を持っていました。
それが、
● 多くの選手を惹き付けるカリスマ性
であったり
・選手からネガティブなエネルギーを取り除いて、ポジティブなエネルギーを植えつけてしまう目に見えない能力
であったりするのです。
このような能力は、評価する手段がないのです。ないが故に、結果でしか評価することができないのが実状であろうと 思われます。
また、
・絶不調のアスリートを復活させたから、上級レベルである。
・チームの何人かが傷害(外傷・障害)を被っていたが、すべて適切に対処できたので、上級レベルのトレーナーである。
というのも、ひとつの判断基準ともなり得るのですが、
・アスリートを、不調に追い込んでしまった指導能力・管理能力はどうなのか?
・傷害を起こす状況に追い込んでしまう誘発要因は、どうなのか?
・その障害は、未然に防げたのではないのか?
といった問題まで踏み込んでみると、この問題の適切な評価もまた、絶対的な基準を定めることは困難となります。
- つづく2015年4月2日記