≪ ダ・ヴィンチの絵画 その8 ≫
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ダ・ヴィンチを語るうえにおいて―――
どうしても はずすことのできない3点の絵画があります。ダ・ヴィンチが、最晩年まで手元において、終生 手放すことがなかったと云われる3点の絵画です。
「モナリザ」は、いまさら言うまでもありません。
ルーブル美術館にある あまたの名画の中にあって、別格扱いとなっています。
私は、『洗礼者聖ヨハネ』こそ―――西洋絵画史上における最高傑作のひとつであると、思っています。
内面から発するエナジー(エネルギー)の大きさからみて、この「絵画」に比肩し得るものは、洋画においては いまだにお目にかかっておりません。
なぜ、そう言い切れるのか―――ということは、いずれ その詳細に触れたいと、思っています。
そのためなのか、フランソワ1世(仏)の招きに応じて 晩年はイタリアの地を離れます。
今回は、「聖アンナと聖母子」に焦点を合わせたいと、思っています。
この作品は、未完のまま終わっている―――とされています。
ルーブル美術館に在る「聖アンナと聖母子」
この作品は、フランス国王ルイ12世の依頼で制作した―――と 伝えられています。
「聖アンナ」(マリアの母)の膝の上に、「聖母マリア(キリストの母)」を乗せて、
その聖母マリアが 幼い「キリスト」を抱き上げる・・・・という場面を描いています。
メシア(この世の終焉に現われる)とされるイエス・キリストに、羊(盲目的な一般大衆)と戯れているのを、「もう・・・そのへんで止めときましょう・・・」といって、 抱き上げている――――ように、私には 思えてしまいます。
これが、未完の「聖アンナと聖母子」とされていますが、ダ・ヴィンチの作品ではない―――と、私は断定できます。
背景の雰囲気は、「モナリザ」と似ていますが、似て非なるものです。
ダ・ヴィンチの死後、弟子たちが下絵に基づいて描き込んでいた・・・・ものかもしれません。詳細は 不明なのです。
次のものは―――「聖アンナと聖母子」の下絵です。
ロンドン・ナショナルギャラリーに在る 「聖アンナと聖母子」の下絵です。
これは―――ダ・ヴィンチ本人が描きこんだものに、間違いありません。
絵が発するエナジー(エネルギー)が、直接伝わってきます。
確かに―――これが 完成していたら、間違いなく「人類の生んだ最高の絵画」となっていたかもしれません。
描き込まれている生命体エナジーからは―――
● 中央の洗礼者・聖ヨハネの右脚に、「マグマダのマリア」が腰をかけています。
この絵画が 実際に完成していたら、(恐らく)ダ・ヴィンチはそのように内的な世界を描き込んでいた―――と、私には思われます。
● 右端の子供は、「女神」です。人間としては、描いておりません。
この子供は、「洗礼者・聖ヨハネ」である―――と、現在は解釈されているようですが・・・・。
この絵画こそ―――ダ・ヴィンチが最後に描きたかった究極の家族・世界観なのかもしれません。
つづく