≪ ダ・ヴィンチの絵画 その19 ≫
12-6-19
● 左端の 右手を頭上に挙げて上方をみている男性(伝令神メルクリウス)は、神話においては、豊饒の女神プロセルピナを 冥府から地上へ連れ出す神とされています。
その神たる男性は―――
● 俗界にいる3次元レベルで描かれています。
ボッティチェルリは、この男性を「俗界」の人として描いているのです。
しかも―――
● 男性のエナジー循環を 感知できる状態に描き込んでいます。
● ダ・ヴィンチと異なり、人体の内的な臓器反応は認めませんが、少し曲げている右脚は、左側よりも「短下肢」として描いています。
参考までに付け加えておくと―――
さて―――
中央の「俗界の女神ヴィーナス」の左側に、輪舞を踊る三人の女性が描かれています。優美の女神グラティアなどの 女神ヴィーナスの随神です。
「三美神」といわれる 左から『愛』『純潔』『美』を表わす女神たちです。
この三美神は、まったくの俗界のエナジーです。
女神としてのエナジーは、表現されておりません。
このことが―――
神界のヴィーナス 俗界のヴィーナス
この2つの絵画が、「神界」と「俗界」に分けられる根本的な根拠は―――
◆ 『女神ヴィーナス誕生』に描かれる背景の「裏」波動は、6次元レベルの高波動です。
一方、
◆ 4次元レベルのマイナス波動(幽界・霊界)です。
中央にいる「俗界のヴィーナス」の右側にいる 花柄の衣裳を着て、正面を見据えて つんと澄ました顔つきの女性は、
クロリスの変身後の姿である「女神フローラ」とも、あるいは「春の女神プリマヴェーラ」とも言われています。
ですが・・・これは
● 「魔女」のエナジー体です。
この上記画像の 左側の女性が、「魔女」です。
しかし、この絵画は複雑怪奇です。
問題は、そこからさらに掘り下げたときに、浮き上がってきます。
この絵画の背後は、魔界に踏み込んだ俗界のエナジーが支配している・・・・というニュアンスをもって、分析しました。
ですが―――
● 最背部のエナジーは、全体が「神界」の波動を秘めています。
これは、サンドロ・ボッティチェルリ自身のもつ波動が、その背後に反映しているように思われます。
彼の本質的な 生命体エナジーとしての波動が、この絵画の深奥部に秘められている―――と、私には解釈されるのです。
この絵画で描かれている女神ヴィーナスは、『春(ラ・プリマベーラ)』が俗界におけるヴィーナス像であり、
『ヴィーナス誕生』では天界におけるヴィーナス像とされているのは、このような「波動」を感知しているので、解釈されている―――と、言えるかもしれません。
私は、サンドロ(アレッサンドロ)・ボッティチェルリの絵画分析をとおして、
あらためて、彼の芸術家としての技量を 再認識させていただきました。
その凄さは、彼の晩年の絵画『神秘の降誕』に集約されているようです。
つづく