生命体エナジー浄化の会ブログ

「生命体エナジー浄化の会」というホームページのブログです。

ウサイン・ボルトと分析されえない秘密 その2

ウサイン・ボルトと分析されえない秘密    その2 ≫
 
2012-7-27
 
ウサイン・ボルトの秘密のひとつは、「スピード・バリヤー」の克服にあります。
 
「スピード・バリヤー」については、その詳細を以前の「消失したブログ」の中で書き込んでおりました。
 
その「記事の控え」をとっていなかったので、すべてが失われました。
再びそれを記事にする気がないまま、現在に至っていますが、ここにきてその必要性が高まりました。
 
アスリートにとっては重要な課題となりますので、簡単に説明しておきたいと思います。
 
多くのスピード系・パワー系アスリートが陥りやすい問題が、「スピード・バリヤー」なのです。
 
例えば、100Mを11秒00で走れる選手がいたとします。
この選手は、全力で走る練習を繰り返していると・・・・
 
100Mを11秒00で走る「身体の動作スピード」「テンポ」などに関わる神経―筋のコーディネーションが、一定のパターンに固定されてしまいます。
 
つまり―――
100Mを11秒00よりも速く走れなくなってしまうのです。
 
これを「スピード・バリヤー」と呼んでいます。「スピード障害」と表現する場合もあります。
 
私の記憶が正しければ、旧ソ連のオゾーリン博士が 1954年頃に提唱したものです。
 
今までに数え切れないほどのスプリンターが、スピード障害によって、自分の潜在的な能力を伸ばすことができずに、脱落していったはずです。
 
自己の記録が頭打ちになって、必死になって練習を繰り返し、結局 その走りの動作スピード、テンポといったものが身体に固着してしまい、そこから抜け出せなくなってしまうのです。
 
一度、スピード・バリヤーの障害に陥ると、その身体に形成された「神経‐筋パターン」が消失するまでには、長期間かかりますので、多くの場合、選手生命を終えてしまうようです。
 
これを避けるためには、めったに全速力で走る訓練をしない―――というのが、ポイントになっています。
 
全速力で「走る」あるいは「動作」をするということを、過度に繰り返さないために、
 
● 動作中に リラクセーションできる能力を養成する
 
ということに、焦点を合わせます。
このことは―――
 
最大スピードで動作を行えるようになるための、重要な課題となるからです。
いかにして、余分な力が抜けるようになるかが、スピード系、パワー系アスリートの大きなテーマです。
 
100Mスプリンターのトップ・クラスは、例外なく「歯を食いしばった表情」は見せません。
 
ホホの筋肉を緩めて走れるようにするために、多大な時間を費やしているのです。
 
しかし、これだけではトップ・スピードを向上することはできませんので、次のようなドリルを行ったりするのです。
 
[スピード・バリヤーを避ける方法その1]
自分の能力以上のスピードを、神経‐筋パターンに覚え込ませるもので、次のようなものが あります。
 
● オートバイなどで牽引させて、より速い速度での「動作」「テンポ」といったものを、身体に植えつける。
 
● 坂道を走り降りてきて、そのままフラットな走路を走り、通常よりも速い「動作」「テンポ」を 身体に植えつける・・・etc
 
[スピード・バリヤーを避ける方法その2]
動作スピードに抵抗を与えて、神経‐筋パターンを定常化しないためのもので、次のようなドリルが あります。
● 坂道を全速力で走り登る。
 
● パラシュートのような抵抗のかかるものを背中に背負って、全速で走る。より力強い走力の神経‐筋パターンが形成されます。
 
● スタート・ダッシュなどで、補助者が両肩を押さえて抵抗を与えてから、一気に離すことで、瞬間的なスピード加速力が向上します。
 
その他、様々な方法が考案されていますが、これらの方法は 過度に行うことの弊害もまた 報告されています。
 
 
スピード障害というのは、スプリンターだけの問題ではなくて、野球のバッティングにおける「スイング・スピード」や、格闘技のスピーディな動きの訓練などでも同様に発生します。
 
一つ間違えるとスピード・バリヤーの障害を 神経‐筋にパターン化する可能性がありますので、マスコットバットでの「素振り」なども、その弊害も考慮しておく必要があります。
 
さて―――
 
ウサイン・ボルトは、NHKスペシャルの「ミラクル・ボディ」の中で、
 
全力疾走時の歩幅の左右差が 異常に大きい
ことが指摘されました。
 
なぜ、そうなのかということは、番組の中では指摘されていませんでした。
しかし―――
ここに、ボルトの強さの秘密があります。
 
ウサイン・ボルトは、左右の脚長差が およそ10センチ近く違っていたはずです。身長が195センチの長身ですから、この位の左右差が出るはずです。
 
● 右脚が 短下肢です。
● 左脚は 長下肢です。
 
通常であれば、脚長差が在れば、それは骨盤が歪んでおり、正常な脊柱は保持されませんので、矯正されているはずです。
 
 
○ 機能的非対称性アスリートです。
 
とくに脊柱の側湾の問題を抱えていることが判明いたしましたので、ことさらに「非対称性」は強調されることになります。
 
ですが、彼は「機能的な 左右の非対称性アスリート」なのです。
ですから―――
 
○ スピード・バリヤーの障害を受けることなく、まだまだ開発の余地を秘めた特異的なアスリートである
 
と言いきってよいものと、思われます。
 
このことは理解しづらいですが、多くのトップ・アスリートの中に、見出されるものです。
 
一般的には 「非対称性」つまり身体の左右の相違は、「非機能性」に直結して、様々な問題が発生します。
 
左右での筋力の発現能力も、当然異なってしまい、身体は歪みます。
そのような状態で運動を続けていると、どこかが故障してきます。
 
故障のリスクが大きいだけでなく、競技能力も低下しますし、何よりも
 
○ 先天的な、あるいは潜在的な競技能力を高めることが、出来ない状態に陥ってしまいます。
 
それ故
競技パフォーマンスは、頭打ち状態になって スポーツ界から去っていくのです。大多数のアスリートが、歩む道です。
 
ですが―――
 
ウサイン・ボルトは、身体がゆがまないのです。
脊柱側湾症の存在が指摘されましたが、それは「機能的側湾」です。
 
この側湾については、スピリチュアルな問題が関係しますので、次回に論及したいと思います。
 
スピード障害を避けるために、なだらかな斜面を、斜めに走る―――という方法があります。
 
左右の足裏の接地面が異なりますので、スピード・バリヤーが形成されないのです。
 
また、カーブのある曲線を走ることも有効です。
左右のパワー発現パターンが異なりますので、スピード・バリヤーが形成されにくいのです。
 
曲線を走る「カーブ走」とは、左右の歩幅も異なることを意味します
ウサイン・ボルトは、直線での走りでも、異常に左右の歩幅が異なっています。
 
つまり―――
 
あえて、左右差のある不均衡な状態の中で行う鍛錬は、
 
○ 全力疾走を繰り返しても、スピード・バリヤーは形成されない、形成されにくい―――といったことが解っています。
 
そして、スプリンターは、左右非対称であることは、弱点ではなくて、「大いなる利点」となるのです。
 
もちろん、「機能的」な「非対称性」ということが条件です。
 
もう少し具体的に述べると―――
 
脚長差などの左右非対称があっても、正常に左右の全ての筋群の働きが機能していれば、それは「利点」となるのです。
 
通常は、長下肢側の「ハムストリングス」は、抑制弱化します
それにともなって、身体中のありとあらゆる筋群が、力の入るところと入らないところが生じています。
 
一般人は、ほぼ全てがこの範疇にはいります。
だから、左右のバランスを回復して、非対称性を起こさないようにすることが、求められるのです。
 
ですが―――
 
一部のアスリートには、全ての筋群が正常に機能する能力を持っているタイプが存在するのです。
 
世界的なテニスプレーヤーで、シングル・ハンドでプレーする選手は、利き腕側の肩甲骨が盛り上がっており、その周辺部の左右差が大きく、それに伴って側湾気味な状態となります。
 
ですが、まったく影響は出ないのです。
同様に、ゴルフのプロは、同じ側だけで過度なスイングを繰り返しますので、それに伴って、特有の筋群の左右差が大きくなります。
 
一般人のゴルファーであれば、左右差が大きくなるほど 腰痛などのリスクも高まって、自爆していきます。
 
私は 多くのスピードスケートのトップ・アスリートと関わってきましたが、オリンピックや世界大会で活躍した彼らの多くは、「機能的非対称性アスリート」でした。
 
スケート・リンクのカーブ走訓練を繰り返しても、その動作スピードでのバリヤーは、形成されなかった―――と、思われます。