≪ 写真分析から裏の歴史を考える 12つづき≫
フルベッキ写真を分析する その10つづき
竜馬暗殺とその背景 4つづき
容量を超えましたので その「つづき」です。
さて―――
谷干城(たにたてき)
その後、熊本鎮台司令長官となり、西南戦争の際には52日にわたって西郷軍の攻撃から熊本城を死守し、政府軍の勝利に貢献した。
その後、伊藤内閣の初代農商務大臣に就任する。後に貴族院議員となっています。
斬首・獄門という惨刑に処したのも谷であるが、彼にとっては龍馬の敵討ちであったというのです。
「龍馬を暗殺したのは俺だ」と言ったが、谷は、それを聞き及ぶと
「お前ごとき売名の徒に 坂本さんが斬られるものか」と逆に厳しく非難したといいます。
意外な返答であった。
「自分は、最後は看取っていない」と応えているのです。
さらに―――
「中岡慎太郎は 生き延びる可能性があった。
と、応えています。
それで―――「中岡慎太郎を 殺させた(他の人間を介して)」と、応えているのです。
この反応は 衝撃的なものです。
だから、谷は 中岡慎太郎の最期を「看取っていない」と反応しているのです。
すると―――
そもそも―――
中岡慎太郎は 運悪く暗殺決行の日に 竜馬を訪問していて、その巻き添えを食ったというのが実態のようです。
明治維新に関わる裏面史は、表舞台に登場してこないドロドロの様相を呈しているように思われます。
だが、そのような著名な時代小説は、フィクションであっても事実として大衆に受け入れられて、いつしか「ノン・フィクション」となっていきます。
そのような中で、秘かに記録した裏の史実や、もはや自分は余命が少ないので、洗いざらい告白する・・・・といったものの中に、我われが知らない裏の実態が浮きあがってくるのです。
今の時代にはヒーローがいない、との指摘がありますが、日常生活まで暴露される現代では、ある意味仕方がないかもしれません。
表舞台での人物と、裏の素顔が一致する例は少なく、それがまた人間臭さを感じる所以でもあるのかもしれません。
2014年11月18日記